ひとことでいえば

妄想に似た確信をもつが、人格、感情、生活史との関連から一定程度了解可能な観念。二次妄想(sekundärer wahn)ともいう。

どのような文脈で問題になるか

妄想様観念は、ある観念がどこまで妄想といえるのかを考えるときに問題になる。 とくに、被害的・関係的な確信が、本人の性格、経験、感情的な傷つきと連続しているように見える場合、それを真性妄想とみるのか、妄想様観念とみるのかが問われる。

近接概念との違い

真性妄想は、通常の心理的動機や生活史からは導けない。生活発展の意味連続性が断たれており、追体験や感情移入ができない点。妄想様観念では、内容や成立の背景に一定の心理的連続性が認められる。

敏感関係妄想

どこが難しいか

難しいのは、了解可能であることが、そのまま非病的であることを意味しない点である。生活史や感情から理解できるように見えても、その確信が訂正困難で、現実との関係を大きく変えている場合がある。 また、妄想様観念は、人格発展と病的過程の境界に位置する。そのため、単なる診断上の区別ではなく、精神病理学における「了解」の限界を示す概念でもある。

本記事との関連

妄想様観念も、パラノイア問題を考えるうえで重要である。とくに、妄想が人格や生活史から発展するものなのか、それとも了解を超える病的過程なのかという問いと深く関わる。

参考文献

  • K. ヤスパース『精神病理学総論』
  • E. クレッチマー『敏感関係妄想』
  • K. Schneider『臨床精神病理学』