ひとことでいえば

体系化された妄想が、人格の大きな崩れを伴わずに持続・発展していくもの。

どのような文脈で問題になるか

パラノイアは、古典的な精神医学において、統合失調症やパラフレニーとの関係のなかで論じられてきた疾患類型である。 とくに問題になるのは、それが人格や生活史から了解可能な発展なのか、それとも了解を超える病的過程なのかという点である。この問いが、いわゆるパラノイア問題である。

近接概念との違い

妄想性障害

パラノイドは、パラノイアに似た、あるいはパラノイア的な、という形容詞的な語である。ただし現在では、猜疑的・被害的という意味で用いられることも多い。 パラフレニーは、かつて統合失調症とパラノイアの中間的な病像として論じられた概念である。パラノイアに比べ、幻覚や空想的な妄想との関係が問題になりやすい。

どこが難しいか

難しいのは、妄想内容が生活史や人格から理解できるように見える場合でも、それがなぜ訂正不能な確信に至るのかは、なお説明しきれない点である。 つまり、問題は「なぜそのような内容を考えたのか」だけではなく、「なぜそれが現実として確信されてしまうのか」にある。

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参考文献

  • E. クレペリン『精神医学』
  • K. ヤスパース『精神病理学総論』
  • E. クレッチマー『敏感関係妄想』
  • R. Gaupp による Wagner 症例に関する鑑定・症例研究