今回は私の好きなゲームの話をさせていただきたい。 2025年10月に発売された「Pokémon Legends Z-A」(以下:ZA)のプレイ感想を述べたいと思う。

今作は「Legends アルセウス」に並ぶ外伝的作品であり、従来のポケモンリーグを目指す冒険とは毛色の違うものになっている。 過去作「ポケットモンスターX・Y」の舞台であるカロス地方の大都市、ミアレシティにて起きた事件を中心に主人公が活躍する話になっている。

主人公はどこから来たのかわからない、風来坊として登場する。なぜミアレシティに来たのか説明がされず、不自然なボストンバッグを携えて鉄道の改札を抜けたところから物語が始まる。 MZ団という私的な団体を仕切る「ガイ/タウニー」に誘われ、ホテルZという不思議なホテルに(無賃で)滞在しながら、街の異変をポケモンバトルにより解決していく。

少年少女らがポケモンとの関わりを通じて、周囲の人物と心を通わせ、困難を乗り越えていく筋書きは、初代の作品から踏襲された様式美である。 困惑した部分もありながらも、新鮮な気持ちでゲーム体験を行うことができた。

ZAは「ポケモンとの共生」がいかなるものかについて取り組んだ作品であり、筆者が小さい時から夢想した「もしポケモンが実生活にいたらどんなことが起きるのか」ということに迫る内容であった。 無論、荒唐無稽なことばかりだがそれを指摘することはあまりにも無粋である。操作性にやや窮したところはありつつも良いゲームであることは間違いない。 まずは好きなポケモンと喫茶店でお茶したり、町中を連れ歩けることは大きな魅力であった。美麗なグラフィックでこれらが堪能できることで、これまでの連れ歩き要素がさらに強化されたと言える。 10mを超えるポケモンや、990kgを超えるポケモンがいようと、何でもありなのはそれがゲームだからで、3000年生きる人間や3mを超える人がいるのもあまり気にならなくなってしまう。

ZAの際立った点は、昼間は平穏な街だが、夜になると一部の区域がポケモンバトルに明け暮れる修羅場(ZAロワイヤル)が開催され、夜明けまでバトル三昧となるところだろう。 繰り返しバトルをして、ZAロワイヤルの頂点に立つことが当面の目標になる。なぜならZAロワイヤルの頂点は一つだけ好きな願いを叶えられる、かららしい。

従来のターン制バトルではなく、常にポケモンが動き回り、位置取りや技の指示が臨機応変に求められる仕様になった。 段差や障害物により技の当たり判定が阻まれることや、ポケモンの挙動がおかしくなるところに課題を感じた次第だが、 アニメ作品にみられるようなシームレスなポケモンバトルが再現されたことは特筆すべき新規性として大いに評価されるべきだろう。今後の作品でより改善され、ポケモンバトルが「進化」すれば嬉しいと思う。 私見を述べればトレーナーを操作するのではなく、ポケモンを直接操作する仕様にすると、ポケモンの挙動が不自然にならずに済むのではないかと思ったが、あまり勝手なことを言うのはこの辺にしておこう。 (しかし、ポケモンを操作する、という要素は実はスカーレットバイオレットのダウンロードコンテンツで登場しているのだ) これまでのターン制バトルの方が好きという人も多いと思う。しかし、私としては旧来の仕組みに慣れ親しんだとはいえ、あまりにも複雑になってしまったところがある。 ゲームフリークも新たなバトルシステムを模索しているのではないだろうかと思っている。ポケモンのゲームそのものを新しくしようとしている気もしている。 2026年でポケモンは30周年になり、最新作への期待も高まる節目だ。様々な派生作品が生まれている一方、赤・緑から連なる系譜をどのように継承していくのか。 2025年現在でポケモンは1025種類もいるのだから、151種類で夢中になっていた時に比べ、はるかに複雑さが増した。1025種類とその派生種をどのように扱うのか、非常に難しい問題だと思う。 増やすことは簡単(?)だが、増やせばいいものかというとそうでもない。私の願いは1025種類すべてを一つのプラットフォームで扱えるようにすることだ。最近の作品だと一つあたり400種類くらいに抑制されている印象がある。 私はもっぱら図鑑を完成させることに重きを置いているので、バトルで勝つことにさほど関心はない。オンラインバトルも進んでやることはない。 それでも新しいポケモンと出会ったり、新たなメガシンカを発見したときの高揚感はパラドックスポケモンに出会ったときと似ている。

しかしながら昨今はインターネットを開けば、攻略情報や新要素がすぐに公開されてしまう、いわば情報の鮮度が落ちやすい時代だと感じている。 いかに自分のペースで作品を堪能できるかがコンテンツを楽しむ秘訣なのかもしれない。

最後に、私が本作品で最も好きなセリフを引用して終わりとしたい。

「ドーナツの穴は『ない』ものですのに『ある』と認識できておもしろいですね」